今回は令和6年2月16日に公表された令和6年3月から適応となる【公共工事設計労務単価】について労務単価と警備料金の記事を書こうと思います。

公共工事設計労務単価は農林水産省および国土交通省が所管する公共工事等に従事した建設労働者の賃金等の実態を調査し、その結果に基づいて労務単価が決定するものになります。

それでは令和6年度の公共工事設計労務単価によって【警備料金】がどのように変わったのかを、お伝えしていき今後警備業務の依頼を検討または発注する際に、参考にしていただければと思います。

 



<目次>

  1. 公共工事設計労務単価とは
  2. 令和6年度の公共工事設計労務単価では
  3. 令和6年度【交通誘導警備員】の労務単価
  4. 雇用に伴う必要経費の内訳と警備料金
  5. まとめ


 

1.公共工事設計労務単価とは


公共工事設計労務単価では51職種別に単価を設定しており、労務単価は農林水産省や国土交通省が所管する公共工事等に従事した建設労働者の日額換算値(所定労働時間内8時間) として労務単価を設定したものです。

ここには、所定労働時間外の労働に対する割増賃金や現場管理費(法定福利費(事業主負担分)・安全管理費や研修訓練等に要する費用など一般管理費等の諸経費は含まれていません。


 

2.令和6年度の公共工事設計労務単価では


令和6年3月から適応される公共工事設計労務単価は、全国全職種単純平均で前年度比5.9%引き上げられることになりました。また、主要12職種(通常、公共工事において広く一般的に従事されている職種)にいたっては前年度比から6.2%引き上げられています。

この要因と原因から考えられることは、人材不足の影響が、やはり大きいと思われます。
また、物価上昇や人件費の上昇などによることも要因かと思います。
そういった観点から必要な法定福利費相当額を加算するなどの措置を行った平成25年度の改訂から12年連続の引き上げにも繋がっているではないでしょうか。



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3.令和6年度【交通誘導警備員】の労務単価


令和6年3月から適応される交通誘導警備員の労務単価について以下の通りになります。
また、交通誘導警備員の労務単価は2種類あります。それは資格保有者とその他の警備員によって分類され、労務単価が分かれています。

◎交通誘導警備員A(国家資格である交通誘導警備業務検定1級若しくは2級の有資格者)
工事設計労務単価は、16,961円と令和5年度比+6.4%となっています。

◎交通誘導警備員B (交通誘導警備員Aに該当しない警備員)
分かり易い説明しますと資格をもっていない警備員を指します。
こちらは、14,909円と令和5年度比+7.7%と大きく上昇することになりました。

この状況は、警備業界の人手不足や諸経費等のコスト増加が考慮されている影響から交通誘導警備員の労務単価が、今年も前年比より大きく上昇しています。
ただし、この労務単価は労働者に支払われる賃金に関わるものであり、それ以外の費用分となる必要な諸経費は含まれていません。


 

4.雇用に伴う必要経費の内訳と警備料金


警備料金の内訳は、基本的に人件費・法定福利費・必要諸経費の3つになります。
法定福利費とは、法律によって決められた福利厚生のために使用する費用です。具体的には、健康保険・厚生年金保険・雇用保険・労働災害保険・介護保険などの各種保険料が含まれます。

一方、必要諸経費には、安全管理費や宿舎費、送迎費、装備費などが含まれます。警備料金に含まれる必要な諸経費は、労働者の雇用に伴って必要となる経費です。

労務単価には、事業主が負担すべき人件費(必要経費分)は含まれていません。よって事業主が下請代金に必要経費分を計上しない、又は下請代金から必要経費を値引くことは不当行為になります。

労務単価では51職種別に単価を設定しており、内訳費用の割合も一般的な目安として挙げています。その必要な諸経費の割合の目安として41%が挙げられています。

その内訳を見ると、法定福利費に使われる保険料などが23%、必要諸経費(現場作業に関連する費用)が18%となっています。

つまりこれらの必要経費を含めた警備料金(全国平均単価)は次のようになります。

 

◎ 交通誘導警備員Aの場合、公共工事設計労務単価が16,961円なので23,915円

内訳:16,961円(全国平均) + 6,954円(16,961円×41%) = 23,915円になります。

 

◎ 交通誘導警備員Bの場合、公共工事設計労務単価が14,909円なので21,021円

内訳:14,909円(全国平均) + 6,112円(14,909円×41%) = 21,021円になります。

 

ただし、警備料金は公共工事設計労務単価だけで料金が決まるわけでは決してありません。

あくまでも公共工事設計労務単価は、国・自治体等が公共工事の予算価格を積算する際に用いる単価になります。
実際には警備業務の内容や規模、地域、時間帯、さらには繁閑の状況等によっても大きく異なり、各警備会社と発注者との交渉や契約によって変動することがあります。

ですが、現状は労働者が受け取る賃金を基に設定している公共工事設計労務単価が、労働者の雇用に伴う賃金以外の【必要経費を含んだ金額】と誤解されているため、必要経費分の値引き等を強いられる結果として、労働者に支払われる賃金が低く抑えられている現状も実際にあるのも事実だと思います。

ですから、この内容が、事業主が労働者一人の雇用に対して必要な経費となることに留意が必要であり、限りなく重要なことになります。

警備業務を依頼する際には、警備料金を把握することは重要ですが、その料金には必要な諸経費が含まれることも理解しておく必要があると思います。



参照資料:国土交通省「令和6年3月から適用する公共工事設計労務単価について」

URL ▶ https://www1.mlit.go.jp/report/press/content/001724088.pdf



 

5.まとめ


公共工事設計労務単価の上昇は警備業界の人手不足や必要な諸経費のコスト増加等の影響によることが分かります。

警備業務を依頼する際は、実際に支払う警備料金には労務単価だけでなく、法定福利費や必要諸経費も含まれていますが、依頼の規模や地域性、時期などによっても価格は変動します。

さらに、各警備会社によっても料金設定に大小違いがあります。安さだけでなく信頼性も考慮して、警備会社を選ぶことが重要になります。

一概には言えませんが、公共工事設計労務単価の変更を踏まえて警備料金を見直す必要があるとも言えるでしょう。

警備会社との交渉は可能ですが、適正な料金設定に基づいた依頼をすることも大切だと思います。



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