みなさん、経営者や人事担当者の方々として、社員の離職にお悩みではありませんか?
また、会社は社員の離職を防ぐための対策を講じたり、定着率を向上させるために何か施策や取り組みを実施していますか?社員の離職は、会社にとって大きな損失です!!
警備業界は、人手不足が深刻化している業界です。そのため、社員が辞めないようにするには、組織づくりが重要です。
そこで今回は、「社員が辞めない組織づくり」についてご紹介などをしていきたいと思います。
今回の記事の内容が少しでも参考になれればと考えています。

離職には、社員自身がキャリアアップの機会を求めて転職するなど、ポジティブな理由による離職もあれば、会社や働く環境、人間関係などの不満からくるネガティブな理由による離職もあります。ネガティブな離職は、会社と社員の双方にとって望ましくありません。

そもそもどんな理由であれ、社員が辞めてしまうと、新たな人材の確保や育成に多くの時間やコストがかかります。また、優秀な社員であればあるほど辞めてしまうと、他の社員のモチベーションや生産性にも影響を与えます。これは、組織の成長と発展にとって大きなリスクです。

実際には、厚生労働省の『令和3年雇用動向調査結果の概況』によると、日本の離職率は2022年度では13.9%となりました。2021年では14.1%でしたので微減していますが、それでも離職率は13.9%と、依然として高い水準です。

参考資料 : 厚生労働省「令和3年雇用動向調査結果の概況」
URL : https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/22-2/dl/gaikyou.pdf

その状況下でも、組織の成長と発展には、人材の確保と定着は最も重要です。
ですが、今後はより人材の獲得をコンスタントに確保し続けることは困難になるでしょう。なぜなら、労働人口の減少や多様な働き方によって、企業がこの問題に対応することが難しくなり、企業が人材の確保と定着に苦労することになるからです。

それでは、社員が辞めない組織とは、どのような組織でしょうか?
私が思う一般的な特徴については、下記に挙げたことが言えるのではないでしょうか。

・社員が自分の仕事にやりがいや責任感を持っている
・社員が自分の強みや能力を活かせる環境が整っている
・社員が上司や同僚と良好なコミュニケーションがとれる
・社員が自分の成長やキャリアに対して支援や評価を受けられる
・社員が会社のビジョンや目標に共感し、貢献できる

これらの特徴を持つ組織は、社員の「帰属意識」を高めることができます。
前回のブログでも触れましたが、帰属意識とは、自分が所属する組織に対して愛着や誇りを感じることです。帰属意識が高い社員は、組織に対して忠誠心や協力性を示し、離職する可能性が低くなります。
では、社員が辞めない組織を作るためには、どのような取り組みが必要になるでしょうか。
ここでは、以下の3つのポイントを紹介していきます。

 

1. 仕事の意義や目的を明確にする

社員が自分の仕事にやりがいや責任感を持つためには、仕事の意義や目的を明確にすることが大切です。社員に対して、自分の仕事が会社や社会にどのような価値を提供しているか、どのような成果や貢献を期待されているかを伝え、社員が知ることで、仕事に誇りを持ち、責任を持って取り組むことができます。

例えば、警備会社で考えてみると、警備業界は地域の防犯・防災の観点から社会の安全・安心を提供する生活安全産業であり、警備会社は安全・安心をお客様にサービスとして提供しています。あなたの仕事はその一部であり、社員は自分の仕事を通して、お客様の安全・安心や財産の保護に貢献する重要な役割を担っていることを知ることで、仕事にやりがいや責任感を持つことができます。

また、組織は社員からもフィードバックや意見を聞き、仕事への関心や参加意欲を高めることも大切です。社員が自分の仕事に誇りを持って、責任を持って取り組むことで、組織の目標達成に貢献することができます。

 

2. 強みや能力を活かせる環境を整える

社員が自分の強みや能力を活かせる環境を整えるためには、以下のような工夫や注意する必要があります。

・社員の強みや能力を把握し、適切な役割や業務を割り当てる
・社員の強みや能力を伸ばすために、適度な挑戦や学習機会を提供する
・社員の強みや能力を評価し、適正な報酬や昇進機会を与える

社員の強みや能力を把握するためには、定期的に面談やミーティングを行い、社員自身に自己分析させることが有効です。例えば、「あなたはどんなことが得意ですか?」「あなたはどんなことに興味がありますか?」「あなたはどんな仕事に挑戦したいですか?」というような質問をしてみることをお勧めします。

また、社員の強みや能力を伸ばすためには、適度な挑戦や学習機会を提供することも大切です。例えば、「あなたにはリーダーを任せます。あなたがこれまで得た知識・経験・学んだことなどを活かしチームを引っ張ってください」「あなたにはこの研修に参加してもらいます。新しいスキルや知識を身につけてください」というような機会を与えましょう。また、社員の強みや能力を評価するためには、客観的に測定し、公正に評価することが重要です。例えば、社員の目標達成度や業績を評価し、昇進や報酬に反映させましょう。そして、会社は社員の努力と貢献に感謝し、実績に見合ったものを、社員にフィードバックすることも大切です。

会社は社員に対して、社員自身の強みや能力を活かせる環境を整えることで、社員は仕事にやりがいを持って取り組み、会社への貢献度を高めることができます。また、社員のモチベーションや生産性が向上し、企業全体の業績アップにつながります。

 

3. コミュニケーションと評価の仕組みを作る

社員が自分の仕事や職場環境に対して満足感や、やりがいを持つためには、社員が上司や同僚と良好なコミュニケーションをとれるようにすることが重要です。また、社員が自分の成長やキャリアに対して支援や評価を受けられるようにすることも必要です。そのためには、以下のような施策や取り組みを活用する仕組みを作ることが有効です。

【コミュニケーション】
・定期的に面談やミーティングを行う
・仕事の進捗や課題、フィードバックなどを共有する
・職場の雰囲気を和やかにするために、オフサイトミーティングや懇親会などを開催
・社員同士の協力や支援、褒め合いなどを促進するために、投票箱やサンクスカードなどを活用

【支援や評価】
・社員のキャリアプランや目標を明確にし、それに沿った教育や研修を提供する
・社員の成果や貢献を客観的に測定し、公正に評価する
・社員の成果や貢献を表彰し、感謝や称賛の言葉を伝える

定期的に面談やミーティングを行うことで、社員は上司や同僚と仕事上の情報や意見を交換できます。これは、仕事の効率や品質を向上させるだけでなく、信頼関係やチームワークも強化できます。コミュニケーションと評価は、企業の成長と発展に不可欠な要素です。社員が円滑にコミュニケーションを取り、自分の成長やキャリアに対して支援や評価を受けられるようにするためには、これらの仕組みを適切に構築し、運用することが重要です。

 

まとめ 

以上のように、社員が辞めない組織を作る方法は、社員の「帰属意識」を高めることにあります。社員が自分の仕事にやりがいや責任感を持ち、自分の強みや能力を活かせる環境が整っていれば、上司や同僚と良好なコミュニケーションをとり、自分の成長やキャリアに対して支援や評価を受けられるように会社は機会を提供することが重要です。そして、社員は会社のビジョンや目標に共感し、貢献できると感じるでしょう。このような組織は、人が辞めないだけでなく、人が集まり、人が育ち、人が活躍する組織となります。
社員が辞めない組織は、社員の帰属意識が高く、会社にとっても重要な人材となります。だからこそ高めることが重要です。そのためにも、上記のような方法を参考に、社員がやりがいを持って働ける環境を整えてみるのもいいかと思います。

 

最後に・・・
自社と協力関係にある警備会社で、長年勤務していた豊富な知識と経験を有し、優秀で尊敬する方が退職されることで、今回このような内容について取り上げてみました。優秀な人材の流出は、企業にとって大きな痛手です。今後より厳しい人材獲得の状況下で、会社は現在の取り組みや施策が成功していなければ見直しを検討し、より一層、今まで以上にどうすれば人材の流出や離職率を減らし、定着率を上げるための行動を考えなくてはなりません。さらに、社員がやりがいを持って働ける環境を整えていく行動も起こしていかなければならないのではないかと思います。

少しでも参考になれば幸いです。